そのメール、本物ですか?AIで巧妙化する迷惑メールの見分け方と対処法

「こんなメールが来たんだけど、どうすればいい?」IT相談を受けていると、よく聞かれる質問です。
少し前までの迷惑メールは、日本語が不自然だったり、デザインに違和感があったりして、迷惑メールだとすぐに気付けるものが大半でした。
しかし昨今は、生成AIによって自然な文章やデザインを簡単かつ大量に作れるようになったことから、犯罪行為までもが効率化され、迷惑メールを見抜くことが難しくなっています。
さらに、迷惑メールだけでなくメールアカウントの乗っ取りさえも効率化され、先の講談社のような事案が発生しています。見た目だけで100%見抜くのは難しいと考えた方がよいでしょう。
この記事では、迷惑メールの中でも、企業や取引先を装い、偽サイトへ誘導してID・パスワードなどを盗もうとする「詐欺メール」を取り上げます。
怪しいメールに気づくための4つのポイント
メールが本物か迷ったら、次の4点を確認します。
- メール本文の始めに宛名が入っていない
- 通常、企業から個別の連絡がある場合は「〇〇様」と宛名が入っています。迷惑メールの場合は「お客様」となっていたり、宛名がなかったりします。
- ただし、メールマガジンなど共通の内容を送る場合は宛名を入れないこともあるので注意が必要です。
- 送り主の名前とメールアドレスがおかしい
- 送り主の名前が「アマゾン」(※正しくはAmazon)になっていたり、メールアドレスが「ahiayig@fknshagk.com」のような意味をなさない文字列になっていれば迷惑メールです。
- ただし、送り主の名前とメールアドレスは比較的簡単に偽装できるため、怪しくなければ安全というわけではありません。
- 急がせる・損をする・得をするような内容になっている
- 「えっ?」と思うような表現があるものは怪しいです。詐欺師は冷静な判断をさせないために、次のような表現を使います。
「本日中」「◯月◯日まで」「ポイントが失効します」「ポイントがもらえます」「アカウントが停止します」「荷物の配達ができませんでした」「注文をキャンセルしました」「重要」「最終通知」 - ただし、こうした表現は正規のサービスからの連絡でも使われることがあります。
- 「えっ?」と思うような表現があるものは怪しいです。詐欺師は冷静な判断をさせないために、次のような表現を使います。
- ログイン情報や暗証番号の入力を促すリンクやボタンがある
- 詐欺師の目的はログイン情報(ID・パスワード)や暗証番号を詐取することです。そのため、メール本文にログイン画面へ移動するリンクやボタンが置かれています。
- ただし、正規のサービスも確認のためにログインを促す場合があります。
ここで大事なのは、どれか1つだけで判断しないことです。「宛名があるから安全」「差出人の名前が正しいから安全」「急がせる表現があるから必ず詐欺」とは言い切れません。正規のサービスでも同じような連絡をすることがありますし、反対に、詐欺メールでも自然な文章や本物らしい見た目を使うことがあります。
だから大切なのは、メールだけで本物かどうかを決めようとしないこと。少しでも気になる点があれば、そのメールのリンクやボタンから操作しないことです。
本当に必要なことなら、メール以外に確認方法がある
- 「請求書を確認してください」
- 「パスワードの期限が切れます」
- 「共有ファイルが届いています」
- 「支払い方法を更新してください」
こうしたメールが届くと「早く確認したい」という心理が働き、ついメール内のリンクやボタンを押したくなります。しかし、詐欺メールはその焦りを利用してきます。
メール内のリンクやボタンは押さず、確認が取れるまでは返信もしないようにします。少し面倒ですが、次のように確認してください。
サービスのアプリやブックマークがある場合
メールではなく、アプリやブックマークからログインしましょう。メールの内容が本当なら、そこにも同じ案内があるはずです。
取引先や知り合いからのメールの場合
メールへ返信せず、電話やSNSなど別の連絡手段で確認をとりましょう。
どうしてもリンク先を確認したい場合
原則は、メール内のリンクやボタンを押さず、公式アプリやブックマークから確認することです。
それでも理由があってどうしてもリンク先を確認する必要がある場合は、リンクを開く前に、URLを文字列として確認しましょう。
パソコンなら、リンクを右クリックして「リンクのアドレスをコピー」を選び、メモ帳などに貼り付けます。ブラウザのアドレス欄に貼ると誤ってアクセスしてしまうことがあるので避けてください。
ただし、URLを見ても判断できないことはあります。少しでも不安が残る場合は、自分だけで判断せず、詳しい人や社内のIT担当者に相談しましょう。
もしクリックしてしまったら
クリックしただけで被害が確定するわけではありません。慌てず冷静に、自分が何をしたかに応じて対応します。
クリックしたが、何も入力していない
- すぐにページを閉じる
- ファイルがダウンロードされていないか確認する
- アプリやソフトのインストールが始まっていないか確認する
- 会社の端末なら、IT担当者へ報告する
ID・パスワードを入力してしまった
- メールのリンクではなく、公式サイトや公式アプリを開く
- すぐにパスワードを変更する
- 同じパスワードを使っている他のサービスもパスワードを変更する
- すべての端末やセッションからログアウトする
- 多要素認証を設定する
- 会社のアカウントなら、すぐに管理者へ報告する
カード情報や口座情報を入力した
- カード会社や金融機関へすぐに連絡する
- 利用明細を確認する
- 必要に応じて、利用停止や再発行を依頼する
📣 会社のアカウントでは、早く報告するほど被害を小さくできる可能性があります。「怒られるかもしれない」と隠さず、わかった時点ですぐに共有することが重要です。
不安が残るときは、一人で判断しない
不審なメールは、メールサービスの「フィッシングを報告」「迷惑メールとして報告」などの機能を使うか、社内のIT担当者へ共有します。担当者がいない場合は、ChatGPTやGeminiなどのAIに相談してみるのも有効です。
相談するときは、次の情報があると判断しやすくなります。
- 差出人のメールアドレス
- 件名と届いた日時
- メール本文のスクリーンショット
- コピーしたリンク先の文字列
- クリックや入力をしたかどうか
まとめ
メールのリンクを、公式サイトへの入口にしない。
公式アプリやブックマークから確認する。必要ならURLを文字として調べ、判断できなければ詳しい人やAIに相談する。100%見抜くことよりも、間違えても被害につながりにくい行動を習慣にすることが大切です。
なぜ実在する相手から詐欺メールが届くのか、そもそも詐欺メールは何を狙っているのか——背景を知っておくと、日々の判断がぐっとしやすくなります。
判断に迷うメールは、抱え込まず相談を
「これは本物か」を毎回一人で判断するのは大変ですし、間違えたときのリスクも小さくありません。社内で報告・相談できる体制や、もしものときの対処手順を決めておくことが、被害を最小限に抑えます。
株式会社FREDMANでは、メールやセキュリティの不安を洗い出し、無理なく続けられる対策づくりまでをまとめてお手伝いする「ITまるごとサポート」を提供しています。判断に迷うメールが届いたときの相談先としてもご利用いただけます。
「これって大丈夫?」と思ったら、弊社の公式LINE、またはお問い合わせフォームより「メールの相談」とお気軽にご連絡ください。


